キャッシュフローの範囲内で返済を実行

会社概要

地方の中小建設会社

問題点

バブル時に積極的な不動産投資をしたために借入金がふくらみ、一方でバブル崩壊後の資産の大幅な目減りによって財務体質の悪化が顕在化していました。

現状分析

年商3億円に対し、借入金残高は同額の3億円まで増加していました。事業規模に比べ債務が大きく、実質的に債務超過といえる状態です。
業績面では公共事業の抑制と民間投資の不振で受注環境は厳しく、利益率の低下は避けられない状況でした。

基本方針

利益を計上し取引先も安定している本業の建設部門を強化し、赤字の不動産事業から撤退する。

方策

  1. 資産売却によって借入金を3億円から2億円に圧縮する。
  2. キャッシュフローの範囲内で借入金を返済していく。具体的には返済額を毎年1,500万円から1,000万円への減額を金融機関にお願いすることにしました。

結果

返済条件の変更(リスケジュール)については、金融機関に20年返済への延長を申し入れたため、当初、難色を示しました。しかし、粘り強く交渉することで、こちらの誠意を評価していただき、最後には了承が得られました。また、資産売却は計画より遅れましたが、任意売却が成立し、計画通りに債務の圧縮ができました。
現在、この会社は本業を縮小することなく継続し、厳しい環境の中で良質案件を受注して、順調に利益を上げています。しかし、債務返済を軽減しただけでは、根本的な解決にはなりません。やはり売上と利益を増やすことで、企業体質そのものを強化する必要があります。