底地権を買い取る

「不動産の交換」手法を有効に使う

状況

G氏は長年住み続けている東京都内の60坪の借地を永住の地にすることに決めた。しかし、これからも更新時にまとまった更新料を払い、家を建て替えるにも建替承諾料を払わなければならないのは面倒だった。また、郊外に100坪の駐車場を持っているが、諸事情によりその土地に移転することができない。駐車場を売却すれば底地権を買い取る資金は用意できるが、地主は底地権を売ると譲渡税がかかるので交渉に応じない。うまく底地権を買い取る方法はないか。

対策

この場合、地主に譲渡所得を発生させないよう、「不動産の交換」を行えばよいのです。
これは私的取引なので「底地の価値と駐車場の不動産価値は同じ」とお互いが納得すればよいのです。このケースの場合、底地割合が4割なので、G氏が住んでいる土地の底地権(底地権割合4割として24坪分の評価額)と100坪の駐車場評価が、どちらも4,000万円前後でした。地主側としても、底地権を持っていても自由に土地を活用できないし、お互いにメリットが生まれる話なので、多少の評価益は問題になりませんでした。また、同じ価値の交換なので、どちらにも譲渡益は発生しないため、所得税法上、譲渡税はかかりませんが、申告の必要はあって、不動産取得額と名義変更の登録免許税はかかります。

効果

G氏も地主も不動産取得税と登録免許税以外、費用はかかりません。その上、G氏にとっては住み慣れた土地のすべてを所有することができました。また、地主も換金性が低く、収益性も悪い貸し地が駐車場収入になり、さらに駐車場を自由に処分することもできるようになりました。